これまでコラムでも何度も”変革”という言葉を使い、DXにおける意識や組織、システムのあり方などについて、実際の現場で支援する立場から、わたしの考え、思うところを述べてきました。そもそも変革とは物事の根本から新しく変えることであり、一朝一夕には成しえない大掛かりなプロジェクトです。ゆえに誤解を恐れずにいえば「変革は失敗の連続」と言えるでしょう。
それこそ多種多様な業種・業態の企業とパートナーを組み、DXを推進してきたわたしが失敗を肯定するかのような言い草は、言い訳に聞こえるかもしれません。そこでまずは、我々自身がその存在意義を問いつつ、危機感と使命感をもって、VUCA(先行きが不透明で将来の予測が困難な状態)時代の一助となるよう、取り組まなければなりません。そして多くの企業がDX推進に向けたビジョンやミッション、プランニングを打ち出し、日々変革への階段を登っているのも目の当たりにしてきました。
なかにはDXという言葉だけが独り歩きしている企業があることも否めません。自社への危機感に乏しく、現況に胡坐をかいているとおぼしき企業とも対峙してきました。それは誰もが知る、大手企業であったこともあります。
とある有名企業を例にお話を進めましょう。この企業は、これまで右肩上がりに売上を上げてきたのですが、少し前から利益率が鈍……