キングジムを代表する商品の1つに、テキスト入力専用のデジタルメモ「ポメラ」がある。この商品はマーケット調査やユーザーアンケートで生まれたわけではなく、1人の社員の情熱によって生まれたものだ。45万フォロワーを数える公式X(旧ツイッター)アカウントの「中の人」も、たった1人の社員によって始まった。1人の情熱をとことん信じて、ヒットを生み出してきたキングジムの軌跡。その流儀を宮本社長に聞いた。
ファーストペンギンになろう
ーー会社には発明家のDNAが流れているのですね。
宮本 「キングファイル」は、1954年に創業者・宮本英太郎が発明した、これまでにないまったく新しいファイルでした。創業の原点へと遡ると、英太郎が昭和初期に発明した「人名簿」と「印鑑簿」に行き着きます。
要するに、私の祖父はいろいろなアイデアを商品化する「町の発明家」だったのです。ドクター中松さんのような方だったのではないかと思います。
海中に向かって最初に飛び込んでいく「ファーストペンギン」にはリスクがたくさんある。ひょっとして天敵がいるかもしれないので命を失うリスクもある。だから躊躇して、なかなか誰も飛び込まない。けれどもファーストペンギンはたくさんの獲物がいることを信じて飛び込んでいく。失敗を恐れること……